「正しい姿勢を保てていますか?」
私がエステティシャンとして現場に立っていた頃、ダイエット目的のお客様はもちろん、肩こり、腰痛、むくみ、そして「なんとなく体が重だるい」といったお悩みでご来店される方が多くいらっしゃいました。
これらのお悩みの根底にあるのは、血液やリンパの巡りの滞りです。そして、その巡りを悪くしている大きな原因こそが、実は「姿勢」なんです。
おそらく、誰もが一度は「背筋を伸ばそう!」と意識したことがあるはずです。しかし、プロの視点で見ると、本当に正しい姿勢を保てている方は意外にも少ないのが現実です。
一見キレイに見える姿勢でも、
- 無理に胸を張って「反り腰」になり、腰に負担が集中している
- 良い姿勢をキープしようとして、全身「ガチガチに力んでいる」
これでは、逆に体を疲れさせてしまいます。
今回は、エステティシャンの視点から「頑張らなくても整う、正しい姿勢の作り方」と、その鍵となる「お腹のケア」についてお話しします。
まずは現状を知る!姿勢のチェック
「姿勢を良くしよう」とする前に、まずは自分の今のクセを知ることから始めましょう。無理な矯正はせず、客観的に自分の体を見てみてください。
① 壁チェック(今のクセを知る)
壁に背を向けて立ち、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとを壁に近づけてみてください。
- 頭が壁につかない
→ ストレートネック、顔が前に出るクセがあります(首こりの原因)。 - 腰の隙間に「手のひら」が余裕で入る
→ 反り腰タイプ。肋骨がパカーンと開いてしまっています。 - 肩が壁につきにくい
→ 典型的な猫背、巻き肩傾向です。
② 横からの「積み木」チェック(理想のライン)
横姿を鏡やスマホで確認してみましょう。
私たちの体は、重力に対して骨を「積み木」のように積むのが一番安定します。
目安は、耳・肩・大転子(太ももの付け根)・くるぶしが、だいたい縦に重なっていること。
※ピシッと一直線でなくても大丈夫。「大きくズレていないか」を見る感覚でOKです。
③ ガチガチ度チェック(呼吸の確認)
これが一番重要です。「姿勢を良くしよう」とした瞬間、お腹に力が入って息が止まっていませんか?
正しい姿勢とは、「その状態で深く呼吸ができること」です。もし呼吸が浅くなるなら、それは「固定」であり、正しい姿勢ではありません。
姿勢が悪いどうなる?体の中で起きていること
姿勢が崩れるということは、単に見た目が悪いだけでなく、体内の「巡り」や「機能」が低下している状態です。
- 首・肩の不調(ストレートネック)
頭が前に出ると、重たい頭を首や肩の筋肉だけで支え続けることになり、常に緊張状態が続きます。 - 下半身太り・むくみ(反り腰)
腰で体を支えるクセがつくと、股関節周りの流れが圧迫され、下半身のリンパが滞りやすくなります。 - 「痩せにくい」負のループ
猫背や肋骨が開いた状態だと、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと酸素が全身に回らず、代謝が低下。さらに「体がだるいから動きたくない」という悪循環に陥りやすくなります。
逆に言えば、「ラクに立てる姿勢」が身につけば、勝手に代謝が上がり、首や肩の力が抜け、見た目もスッキリするのです。
原因は「筋膜」かも?
「意識しても姿勢が直らない」という方は、筋肉を包んでいる「筋膜(全身タイツのようなもの)」が縮んで固まっている可能性があります。筋膜が癒着していると、いくら背筋を伸ばそうとしても、ピチピチの洋服に引っ張られるように元の悪い姿勢に戻されてしまうのです。
筋膜については、こちらの記事で詳しく解説しています。

姿勢は背中ではなく“お腹”を緩める
ここからが今回一番お伝えしたいポイントです。
姿勢を直そうとするとき、多くの人は「背中」を意識しますよね?肩甲骨を寄せたり、背筋を伸ばしたり。
ですが、プロのアドバイスは逆です。
「背中を緩めたいなら、まず前側(お腹・肋骨まわり)を緩めましょう」
猫背や反り腰の人の多くは、体の前側(お腹や胸)の筋膜が縮こまっています。前側がギュッと縮んでいるのに、背中側だけ無理に伸ばそうとしても、引っ張り合いになって苦しいだけです。
特に反り腰タイプの方は、肋骨が開いたままお腹が常に緊張しており、呼吸が浅くなっています。
「お腹を緩めて、呼吸が入るスペースを作る」
これが、自然な美姿勢への最短ルートです。
自宅でできる「姿勢リセット」3ステップ
難しいトレーニングは必要ありません。「頑張らない」ケアで体をリセットしましょう。
STEP1:肋骨をおろす「深呼吸」(1分)
まず、開いた肋骨を閉じて、反り腰をリセットします。
- 鼻から大きく息を吸います。
- 口から「ふーっ」と細く長く息を吐ききります。
- 吐くときに、みぞおちとおへその距離が縮まり、お腹が薄くなるイメージを持ちましょう。
呼吸が変わると、なぜ姿勢が整うのか?そのメカニズムはこちらで紹介しています。

STEP2:美姿勢を作る「お腹ほぐし」(1分)
硬くなったお腹の緊張を解きます。
- 手を温めて、仰向けになります(座ったままでもOK)。
- おへその周りを「時計回り(「の」の字)」に優しくさすります。
- ポイントは、皮膚を擦るのではなく、「皮膚ごとお腹の中をゆっくり動かす」イメージです。
痛みを感じるほど強く押さないでください。また、妊娠中、腹部の手術直後、原因不明の腹痛やしこりがある場合は行わないでください。
STEP3:脱力して「積み直す」(1分)
最後に、壁チェックの姿勢に戻ります。
先ほどほぐしたお腹を意識しながら、骨の積み木を積み上げます。
この時、お腹の力は「2割」くらいでOK。「息が深く吸える位置」が、あなたにとっての正解のポジションです。
美姿勢は「1日のリセット」から
姿勢が崩れるのは、意志が弱いからではありません。スマホやデスクワークなど、現代の生活では体が前かがみになるのが普通だからです。
だからこそ、目指すべきは「24時間ずっと良い姿勢をキープする」ことではなく、「崩れたら、自分で戻せる体を作ること」。
「呼吸で肋骨をおろす → お腹をゆるめる → 骨を積み直す」
この順番を意識するだけで、体は確実に変わっていきます。まずは今日のお風呂上がり、3分間のリセット習慣から始めてみてくださいね♪
最後まで読んでいただきありがとうございました🌸
今回の記事と合わせておすすめのセルフケア
姿勢が整ってきたら、気になる部位へさらにアプローチしてみましょう。
背中がどうしても丸まってしまう方は「肩甲骨」を、下腹のぽっこりが気になる方は「腸腰筋」のケアをプラスするのがおすすめです。
▼下腹ぽっこり・反り腰が気になる方へ





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