「何をやっても痩せない」と焦る30代へ。食事制限の前にやるべき「解凍」習慣

「食事も気をつけているし、なるべく歩くようにしている。それなのに、体重計の数字がピクリとも動かない……」

そんなふうに、鏡の前でため息をついていませんか？

「私の努力が足りないのかな」
「もう年だから、仕方ないのかな」

そうやって自分を責める必要はありません。
実は、私がエステティシャンとしてサロンに立っていた頃、一番多く聞いたのがこのお悩みでした。

これまで何百人という女性のお体に触れてきて、ひとつだけ確信していることがあります。
一生懸命ダイエットをしても痩せない時。それは、あなたがサボっているからではありません。

体が「戦うモード」になりすぎて、カチカチに固まっていることが原因である場合がとても多いのです。

今回は、頑張り屋さんほど陥りやすい「痩せないループ」の正体と、そこから抜け出すための「体をゆるめる習慣」についてお話しします。

きつい運動や無理な食事制限を始める前に、まずは5分だけ、この記事を読んでみてください。
焦る気持ちがふっと軽くなって、体の巡りが変わり始めるヒントになれば嬉しいです。

痩せにくい原因は体の冷え
1. 脂肪が燃えるには「酸素」が必要
2. 「戦うモード」が内臓を冷やす
完璧主義の落とし穴
「引き算」のケアを
時間をかけて優しく整える

痩せにくい原因は体の冷え

イメージしてみてください。カチカチに凍ったお肉をフライパンに乗せても、すぐには焼けませんよね？まずは解凍して、柔らかくしないと火が通りません。

人間の体も同じです。

痩せないと悩む方の多くは、脂肪を燃やすための「火（代謝）」が弱いのではなく、そもそも体が「凍った状態」になってしまっているのです。

脂肪が燃えるには「酸素」が必要

少し専門的なお話をすると、脂肪が燃焼するためには、体の中にたっぷりの「酸素」を取り込む必要があります。

しかし、ストレスや緊張で筋肉が硬くなると、筋肉の中を通っている血管がギュッと圧迫されてしまいます。すると、血液の流れが悪くなり、脂肪細胞に酸素が届かなくなります。

つまり、どんなに運動をしても、酸素不足で「不完全燃焼」を起こしている状態なんです。これでは、いくら頑張っても脂肪は減りません。

「戦うモード」が内臓を冷やす

また、仕事や家事で常に気を張っている状態（交感神経が優位な状態）は、体にとって「戦い」の時間です。

体は戦うために、脳や手足の筋肉に優先的に血液を送ろうとします。その結果、内臓や末端への血流がおろそかになり、体の深部がどんどん冷えていきます。

冷えた脂（あぶら）が固まるのと同じで、冷えた体では脂肪もガチガチにロックされてしまいます。これが「痩せない氷の体」の正体です。

完璧主義の落とし穴

特にお伝えしたいのが、サロンで見てきた「頑張りすぎる方」のお話です。

「ピラティス、よもぎ蒸し、酵素浴を週に何度も行って、食事はグルテンフリーやマクロビオティック。エステも週1回は通っています」

施術中、そんなふうに話してくださるお客様ほど、背中を触ると鉄板のように硬く、呼吸が浅くなっているという現実がありました。

良いことをたくさん詰め込もうとする完璧主義の姿勢が、知らず知らずのうちに体に「常に戦闘態勢であれ！」という負荷を与えてしまっているのです。

体にとっては、良いことでも詰め込みすぎればそれはストレス。自律神経が休まる暇がなく、血管が収縮しっぱなしになり、ますます「痩せにくい体」を作ってしまうという悪循環です。

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「引き算」のケアを

では、具体的に何から始めればいいでしょうか。それは、新しい習慣を「足し算」するのではなく、心と体の緊張を「引き算」することです。

1. 「完璧主義」をやめる

「週に3回運動しないと意味がない」「毎日絶対にグルテンフリー」といった完璧なルールを、一旦ゆるめてみましょう。できなかった自分を責めるエネルギーが、体にとって一番大きなストレスになります。

2. 「即効性」を期待しない

不調は、あなたが思っている以上の時間と蓄積でできています。当然、その改善にも時間が必要です。体の細胞が修復されるサイクルを考えれば、短期間での劇的な変化は期待しないのが正解です。焦らず、今日より明日、少しでも心地よくあることを目標にしましょう。時間をかけてゆっくり体を変えていくのが最も効果的です。