お身体、冷えていませんか?最近はカラダを温めるアイテムがたくさん見かけます。それだけ“冷え”を意識する人が増えている証拠ですね。
でも実は——冷えは外から温めるだけでは改善しません。
根本から整えるには、“血液”に注目することが大切なんです。
冷えの正体は「体温のめぐりの滞り」
体温は血液によって全身に運ばれています。心臓から送り出された血液が毛細血管のすみずみまで届くことで、体の各部位があたたかく保たれます。もし流れがどこかで滞れば、その部分の温度が下がり、手足・お腹・太もも・お尻の冷えが起こります。
血液循環を担うのは、心臓のポンプ機能と筋肉の収縮(筋ポンプ)。長時間の同じ姿勢や運動不足で筋肉が硬くなると、この「ポンプ力」が弱まり、末端に血液が届きにくくなります。
つまり大切なのは、温めることそのものではなく、“体温を運ぶ力=血流”を整えること。
それが内側から温まる体づくりの第一歩です。
血液を増やす“材料”をととのえる
血液は食べたものから作られます。赤血球をつくるには鉄・タンパク質・ビタミンB群(B6・B12・葉酸)が欠かせません。これらが不足すると、赤血球の量が減り、酸素を運ぶ力が低下します。結果として体内でエネルギーを作りにくくなり、体温も下がりやすくなるのです。
赤身の肉、マグロ、レバー、卵、大豆、ほうれん草、ひじきなどをバランスよく摂ることで、血を“作る力”が高まります。栄養が整うと、全身の細胞が活性化し、代謝や体温維持の働きも自然と安定していきます。
巡りを悪くする3つの原因
- 凝り固まった筋肉:筋肉は血管を支えながら血液を押し出す“ポンプ”のような役割を果たしています。運動不足や同じ姿勢の長時間化で筋肉が硬くなると、血液の流れが鈍くなり、冷えやむくみを引き起こします。
- セルライト・老廃物:皮下組織に老廃物や脂肪が溜まると毛細血管が圧迫され、巡りが悪化します。老廃物の排出には、軽い運動やストレッチ、深い呼吸も効果的です。
- 水分不足:体の約60%は水分。血液も半分以上が水分です。水分が足りないと血液がドロッとして流れにくくなります。
ポイント:1日1.5〜2Lを目安に、こまめに飲む+こまめに排出(トイレ)をセットで。
冷たい水ではなく、常温〜ぬるめのお茶や白湯を意識すると、体への負担が少なく巡りがスムーズになります。
“温める”のは、あくまでサポート
血液を整えることが本質とはいえ、外からの温めも“巡りを助けるサポート”として大切です。温めによって血管が一時的に拡張し、血流量が増えるため、内側の働きを後押ししてくれます。
湯船でしっかり温まったあと、腹巻きやソックスでぬくもりをキープしてあげるのもポイント。体を冷やさない習慣が、巡りを育てるいちばんの近道です。
特にお腹まわりには内臓や自律神経が集まっているため、ここを温めることで体全体の血流バランスが整いやすくなります。
血液の“質”を整える生活
血液の流れを鈍らせる最大の原因は「ドロドロ血」。糖質や脂質の摂りすぎ、睡眠不足、ストレス、運動不足などで血液の粘度が上がり、酸素の供給効率が低下します。
逆に、青魚(EPA・DHA)、ナッツ類、海藻・野菜を意識的に摂ると、血液がサラサラになり、酸素や栄養、そして“熱”までもが全身に届きやすくなります。
EPA・DHAなどの不飽和脂肪酸には血管の柔軟性を保つ働きがあり、結果的に“巡り”の質が向上します。
また、夜更かしやストレスも血管を収縮させる要因。質の良い睡眠をとり、呼吸を深くするだけでも、自律神経が落ち着き、体のめぐりが穏やかになります。
“血液を整える”ことは、美と健康の土台
冷えは、体からのサイン。
外から温めるだけでなく、「血をつくり・流し・整える」ことで、内側から温かい体を育てていきましょう。
この“土台を整えるケア”は、肌のツヤ・代謝・ホルモンバランスなど、美容と健康すべてにプラスを与えます。巡りが良くなると、肌に酸素と栄養が届きやすくなり、くすみや乾燥の改善にもつながります。
温めるだけのケアを卒業して、“血液の力で温まるカラダ”を今日から少しずつ育てていきましょう。
※本記事はエステティシャンとしての経験に基づく一般的な美容・健康ケアの情報です。医療行為や診断を目的としたものではありません。体調に不安のある方は専門医にご相談ください。



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